海+e/motion
さかしま に
決壊した真昼の
いっさいの裂け目に
わたしたちの、崩落した
白い希み
が、滴り
直立した灰、の
凪いで 碧さ
のきみは 等しく
舗道に轢かれて
いる
*
短さで繁っていく碧い海の記号を(焦らすこ
となく)囲い込んだぼくたち、の半生(その、
残 響。) は身のフルえ、ふえ行き 強、
く噛んだ銀糸の苦み の底辺でいま、なお反
復の生/活を紡ぎ (ましろい、足跡 が風
上から燃え ていく よ) ひときざみの虚
森 から出発したきみの左手 の、崩れ落ち
てそっと 行き先を(ただ、ただ行き先
を!)示し続け、
〈レット・・・イッ・・ト・・・ゴオ・・・
ゴ・轟・・轟・・・〉
*
鈍く、唸っている灰色の
向こう岸で刮げ、濡れそぼった片足を
(いまだ 見ている
強奪された種火から
はなにも発 光するものは
なく
(掴みとれるものならば朝に!
*
底、で流れている緑青の
泥炭をきみが吐き
出し 叩き売ったその
真昼に、ぼくは原色の対岸で
荒みきった取引き
を始め 水先案内人
の解放区、を
ちりぢりになったオレンジの
ガラス玉 や溺れ
そこなった馬の骨
で埋め尽くしていった
*
万華鏡を覗き込むきみ、乱れ
零れろ/よ
一刻の海
(その、増殖
と共に
舵 噛ん だ
碧さの、
「散って!
*
溢れ、
はみ だした
湿原に 潤ん だ
緑青を両腕に抱え、
ようやっと 私たち
の 祖先の 谷に
ちいさ/き
ものども の
息吹、 (短さの、
絡め とられること
なく
鳴っているの です
(チャル、チャルゥ!
聴こえ・・て・・・い・ます・・か・・
・・・応・・・答・・願い・・ま・す・
・こち・ら・・・は・・大丈夫・で・・
す・わたし・・は・完・・全に・愛ィ・
痛・シテ・・産・・み・崩れ・・ない・
こん・・なに・・も・・おは・こんばん
・血・・は・・チャ・・チ・ャル・ーゥ
*
丁寧に準備されていたのだった ぼくたち、
の 海へと漂着した里程標
(あの、だいじな石ころ!)
透けて見える図法の、頂きでは
一対で生 息。するボウフラが咆哮している
「あたらしい息継ぎには、あたらしいe/motion
が必要です///かわいた血流は、一ダース
もあれば充分でしょう!
*
見えや しないのだ、淀んだ肉片で解かれた
文字群なぞ
(沈 潜する、東と西の河口で ぼくたち、
は熟れた骨、と緑青の宝 石と を等しく
交換した)
2009年2月作成