海+e/motion

さかしま に
決壊した真昼の 
いっさいの裂け目に 
わたしたちの、崩落した
白い希み
が、滴り 
直立した灰、の
凪いで 碧さ
のきみは 等しく 
舗道に轢かれて
いる

短さで繁っていく碧い海の記号を(焦らすこ
となく)囲い込んだぼくたち、の半生(その、
残 響。) は身のフルえ、ふえ行き 強、
く噛んだ銀糸の苦み の底辺でいま、なお反
復の生/活を紡ぎ (ましろい、足跡 が風
上から燃え ていく よ) ひときざみの虚
森 から出発したきみの左手 の、崩れ落ち
てそっと 行き先を(ただ、ただ行き先
を!)示し続け、

〈レット・・・イッ・・ト・・・ゴオ・・・
ゴ・轟・・轟・・・〉 

鈍く、唸っている灰色の 
向こう岸で刮げ、濡れそぼった片足を
(いまだ 見ている 
強奪された種火から 
はなにも発 光するものは 
 なく 
(掴みとれるものならば朝に!

底、で流れている緑青の 
泥炭をきみが吐き
出し 叩き売ったその
真昼に、ぼくは原色の対岸で 
荒みきった取引き
を始め 水先案内人
の解放区、を 
ちりぢりになったオレンジの
ガラス玉 や溺れ
そこなった馬の骨 
で埋め尽くしていった 


  
万華鏡を覗き込むきみ、乱れ
             零れろ/よ 
    
  一刻の海
          (その、増殖
       と共に
             舵 噛ん だ
     碧さの、

  「散って!
 

溢れ、
     はみ だした 
   湿原に   潤ん だ
       緑青を両腕に抱え、
  ようやっと 私たち 
 の 祖先の 谷に 
         ちいさ/き
  ものども の
  息吹、           (短さの、 
絡め とられること                
 なく
  鳴っているの です          

 (チャル、チャルゥ!
   
  聴こえ・・て・・・い・ます・・か・・
  ・・・応・・・答・・願い・・ま・す・
  ・こち・ら・・・は・・大丈夫・で・・ 
  す・わたし・・は・完・・全に・愛ィ・
  痛・シテ・・産・・み・崩れ・・ない・
  こん・・なに・・も・・おは・こんばん 
  ・血・・は・・チャ・・チ・ャル・ーゥ

丁寧に準備されていたのだった ぼくたち、
の 海へと漂着した里程標 
 (あの、だいじな石ころ!) 
透けて見える図法の、頂きでは
一対で生 息。するボウフラが咆哮している 

「あたらしい息継ぎには、あたらしいe/motion
が必要です///かわいた血流は、一ダース
もあれば充分でしょう!

見えや しないのだ、淀んだ肉片で解かれた   
  文字群なぞ
(沈 潜する、東と西の河口で ぼくたち、
は熟れた骨、と緑青の宝 石と を等しく
交換した)


                    2009年2月作成