護岸

「眼底で
 悴んだ指の
 さき の震え、
 鳴っ ている音。
 から発光したので
 す」 

岬へ!
その
途上にて
オチ 窪んだ岩石
に潜在する
ワシュロ
の観念のうえ
さかしまに
なぞられ/た内海 

  (灯台
   の書き、留めた
   三通の封書
   から
   の転落)
 

数本の指のあいだ
から露光した
牝馬の四肢 
その、
白さよ! 

ちいさきもの
ども、の
向日性だけが 
最後まで
抗する術
を纏っていた 

隠れた
瑕疵の歩幅
ヒソヤカ、
に暴れで
散れ!
紅い河の
逃亡する
放縦な手首
陰る六面体の

夜半、誰
からの報告も拒んだ
鳥群が旋回し

(あたうる限りの冷たい眼球に触れたきみの黒点 
は決して減少せず わたしたち、の護ってきた岸辺
に 今朝 漂着していた)