(無題)


ふかぶかとした
背骨がふたつ 
真昼の救済を
目論んで寝そべる 
公開された軒先に
集う白い光の 
またしても左眼のうえで燃え、盛り
アシタバはこの 
夏を待たずに枯れ果てていった 




残された校庭には
野犬たちの濡れた唇がある 




「白過ぎた。あまりに・・
    だから、濁っている」




散乱した骨片を
ふたたび拾い集め 
すぐれた位置で
咆哮せよ 




あらかじめ交じり損ねた 
ふたつの背骨は
暗い洞穴のなかで
寒い眠りをむさぼり




その傍らを
ただしい横顔が
通過していく