ハッピー・エンド


///軽やかさとは必ずしも乗り越えられる為だけにあるのではなく
黙することそれをひとつの命題としたあなたの背中に躓く/// 


こうして
また、
崩れおちた
口に黒い
布切れ
を被せ 冬の
街路に
棄てられた
喉もとから
ひとつひとつ
半透明の
物体
を叩き
おとし 
鈍く
反響する、
石ころ
の内側 
出合い
そびれた宇宙の
欠片と
通信する
手だて 


ここからさき、
叫ぶこと
は封じられ 
小さな
守り手たちが
指と指とを重ね
合わせ
暗い
季節の到来を祈る 
微かに
ひかりゆく、あの
錆びた
砂漠の
ほうへと
足は
埋められ 
発芽する
躊躇いを
胸に抱く
それでも
なお 
白い
ひかりの
末路を
追って
帰り道
出くわした
花々で
満ちる
通信機の


いま、ここで
薫って
いる